海外の鉄板焼き事情

海外求人で一番多いのは?

海外求人で一番多いのは何といっても日本食関連のいわば飲食店勤務でしょう。募集は寿司職人とかラーメン調理など料理によって種別がありますが、鉄板焼き調理師というのを見たことがありませんか?え?ない?たまに出ていますよ。

鉄板焼き調理師という仕事

私はヨーロッパで鉄板焼き調理師として働いたことがあります。この時に、目からウロコと言いますか、予期せぬことが求められちょっと驚きました。今後、海外で調理師としてやっていきたいという人のために海外で「鉄板焼き」調理師の話をしておきましょう。
鉄板焼き調理師と聞いて、どのような仕事だと思いますか?
私は、その募集を見てステーキを焼いたりお好み焼きを焼いたりすればいいものだと思いました。
そして現地へ行って驚きました……。
お客さんが混み合う時間になると、マネージャーが鉄板焼き調理師に目で合図を出します。その時は調理師がチャーハンを作りはじめます。材料を矢継ぎ早に鉄板に投入し、大げさにリズミカルに鉄ヘラで音を立ててかき混ぜはじめます。鉄ヘラの音でお客さんの視線は調理師と鉄板に集まります。一連の動作の一つ一つが、どことなく中国拳法の演武とか空手の型っぽいです。さらにブランデーを鉄板にたらしライターーで着火、鉄板上に炎を立ち上がらせます。お客さんはどよめき、写真撮影を始める人も。
「あ、パフォーマンスか」
それがショーであることに初めて気づきました。

魅せる調理法

全てのレストランで必ずしもそうだとは限らないでしょうが「鉄板焼き調理師」には実際の調理に加えてパフォーマンスも求められる可能性があります。YoutubeでTeppanyakiというキーワードで検索して見てみるとわかります。

海外でも日本国内のレストランでも鉄板焼き調理師が鉄ヘラを使ってジャグリングしたり、アルコール分の強い酒を使って鉄板上に炎を吹かせたり、鉄ヘラを使ってリズミカルに音を立てながら、流れるような手際を見せたりする、いわゆるショーが見られると思います。海外では日本人以外の調理師もサービス精神満点にショーを繰り広げています。ちなみに私がパフォーマンスと気づいた時にチャーハンを作っていたのはタイ人シェフでした。
どうも、サムライ、ゲイシャ、ハラキリ、ニンジャのたぐいの、日本のイメージと重なるのでしょう。海外の方でTeppan-yakiが一人歩きしているような印象も受けます。タランティーノ映画の「キル・ビル」のような外国人の頭の中の日本文化とでもいいましょうか。
という訳で、これから海外の求人募集の中に「鉄板焼き調理師」という求人を見かけて応募する方は単なる調理だけでなく「パフォーマンス」をやりなさいと言われる可能性もあります。パフォーマンスをやりたいにせよ、やりたくないにせよ、応募する際は、十分確認しておくと良いでしょう。