海外の寿司は巻物が主流?

海外寿司職人の仕事は巻物中心

私は以前ハンガリーのブタペストで鉄板焼きの調理師として働いていた経験があります。その店は鉄板焼きだけでなく寿司も出していたので鉄板焼きが忙しくない時は寿司の方もよく手伝わされました。
基本的に握り寿司は機械まかせでした。シャリ玉成型機という機械を使ってシャリ玉(握り寿司の俵型のご飯の部分)を作り置きしておき、その上にネタをのせるだけ。日本の回転寿司屋などのチェーン店もだいたいこの形式で運営しています。
従って、その店の寿司職人の主な仕事といえば、巻物です。太巻きや細巻き、そして何といってもカリフォルニアロールのような派手な裏巻きがよく出ました。寿司職人と話すと握りよりもこういう裏巻きの方がヨーロッパなどでは主流だということでした。つまり機械にシャリ玉を作らせ寿司職人の仕事は巻物中心の店が多いということでしょう。

日本オリジナルとかけ離れた日本料理

海外の日本料理店で食べたことがある人ならわかると思うのですが、海外の日本料理店というのは、オリジナルの日本料理からかなりかけ離れている場合が多いです。本格的な日本の味が、日本人のイメージほど現地の庶民に受け入れられているわけではありません。まだまだ生魚や海藻が苦手という人は多いし、寿司ネタのタコや蒸し海老が生ではないということも知らなかったり、ラーメン屋で「ワサビください」というお客さんもたくさんいるほどです。
そういう事情があるので、本格的な寿司、日本料理をやりたいという人は十分に自分にあった店に的を絞る必要があるでしょう。

海外寿司職人に寿司職人の修行は必須でない

逆に言えば、本格的な寿司や日本料理店で働きたいと思っていない人にとっては、寿司職人として修行を積んだ経歴だとか、寿司専門学校で学んだ経歴が必須条件ではないという求人もたくさんあるわけです。調理師の資格さえ持っていれば、居酒屋や回転寿司で働いた経歴だけしかなくとも十分に入り込むチャンスがあるかもしれません。
いかがでしょうか? 海外の日本料理店や寿司屋と言っても、その店のスタイルや、日本人経営かそれとも現地の人の経営か料理長は日本人なのか現地の人かなどで、大きく事情が異なってきます。求人に応募する際はコミニケーションを密にとって、どのような店のスタイルなのかを十分に確認すると良いでしょう。