シンガポールの英語

海外の就職先を決めるのに、どの国にするかというのは大切な要素です。中には働く国は「この国しかない!」と決めている人もいるでしょう。しかし、いくつかの国の中から選ぶという人も多いかもしれません。そこで、そんな国選びの参考までに、シンガポールに三年ほど住んだ私の経験をもとに特にシンガポール人の英語について話してみようと思います。

シンガポールの良さ

シンガポールの良さの一つは英語で仕事ができて英語で暮らしていけるという点です。英語が共通語なので、みな英語が話せます。華人、マレー人、インド人と多様な民族が混じっています。70%以上が華人で、それぞれのグループの中では自分の言語を話すことが多いですが、時と場に合わせて英語と母語と両方を使い分けています。
前に、友人から、英文法を簡略化した訛りの強いシンガポール人の英語、シングリッシュって、どうなの?と聞かれたことがあります。彼は高校生の子供がいるので留学先としてどうなんだろうという思いがあったのでしょう。日本に近いし良い面もありそうだけど自分の子が鈍った英語を覚えるのってどうなの?と思ったのかもしれません。
若い吸収力がある時に母語が英語の国、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージランドに留学するという手もあるのですが、英語のネィティブの話すスピートは、あたり前ですが非常に早いし語彙も豊富です。なかなかついていけないものがあります。一方でシンガポールの英語の場合は本当に個人差がかなりありますし、アクセントもあるし文法も変化しているのですがネィティブに比べれば圧倒的にとっつきやすいです。
結論としては、現在、その人が持っている英語能力によるのではないかと思います。あまり自信がないならシンガポールはむしろ良いステップになりえると思います。さらに言えば、私の知る限り、モロにシンガポール訛りになった日本人は見たことがないです。そこそこアクセントなどは移っているかもしれませんが、どシングリッシュを話すのはむしろ難しいです。
英語が共通語ではない国で働くのは、その国の言葉がわからないと相当面倒なことと日々直面します。いくら英語が苦手だという人でも日本人にはすでに学校教育で英語の基礎知識のストックがあります。他の言語を一から学ぶより英語を鍛える方が確実に近道ではないでしょうか?

シンガポール人はせっかち?

ただ、これは笑い話ですが、シンガポール人はせっかちと言われていますが、日本人が遠慮がちに自信なさげに英語を話していると「あぁん?」としかめっ面をする人がいます。「はあ?何言ってんの?コイツ」みたいな顔です(本当にそういう顔)。多分、シンガポールでこれをやられて腹立てたりゲンナリしたことがある日本人も多いと思います。しかし、いずれ自分の発音も通じるようになるとそういう顔をされることもなくなるでしょう。